ゼルテニアの長い一日

◇7◇

追い出された女王陛下の部屋の前で、バルマウフラは心なし落ち着かない気分で立ち尽くしていた。全く彼女の上官ときたら、悪ぶった物言いで、いつも肝心なことを言い損ねるのだ。女心を分かってやろうともしないで。
(…馬鹿馬鹿しい、なんでわたしがそんなことを心配してやらなきゃならないのよ!)
 頭を振って、つま先で壁を蹴飛ばす。ディリータの考えていることが分からないなんて言ってる場合じゃない。自分の気持ち一つ、持て余しているというのに。

細かい浮き彫りがなされた扉が、重々しい音を立てて開かれた。出てきたディリータも、これまた重々しい苛立ったような顔をしている。さわさわと中にいる女達の声が聞こえたが、そんなものに耳をすまさずとも、この仏頂面でバルマウフラには何があったか大体の予想がつく。
 やっぱりね、と思いつつバルマウフラは頭を切り替えた。
 この際、ディリータにもすぐに頭を切り替えてもらおう。先ほど間者から入ってきた情報を、上官に正確に伝えねばならない義務があった。それが彼女なりの思いやりでもあった。
 なるべく無表情を装って話しかける。
「二日後にはオルランドゥ伯がベスラに向けて城を出るわ。…時間がないわよ」
「分かっている、ぬかりはないさ」
彼女の冷徹な声色に触発されたのか、ディリータの瞳にも精彩が戻ってきた。得心して、バルマウフラは頷く。
 少なくとも今は、この青年に野心家の仮面を被り続けてもらわねばならない。いずれそれを脱ぎ捨てて、裏切り者の本性を露にするとしても。その瞬間までは、二人は一つの目的を持った同志なのだ。
 二人はそれぞれにマントを翻し、扉に背を向けて歩き出した。
幾つもの灯火に照らされた幾筋もの影が、回廊の床に壁に、複雑な紋様を描き出している。

「全ては計画どおり、順調だ。……新しいイヴァリースの夜明けを、俺たちが生み出すんだ」
 そうして、その右手を強く握りしめる。

 前途に広がるのは、洋々たる未来か、それとも…。
 バルマウフラは、自分の三歩前を進むディリータの背中を眩しそうに見つめながら、小さく息を吐いた。
 夕闇の回廊に、二つの足音が遠ざかってゆく。

 歴史の裏と表でそれぞれ、
 最後の幕があがろうとしていた……。

終わり

*「ゼルテニアの長い一日(A Long Day in Zeltenia)」
1999年8月に初版。12月に再版。
2000年から2001年にかけて、加筆修正、WEBにて再録(?)。
しかしあっさりとしたタイトルだこと。


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いいわけ


 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 

 
 
 
 
 

 
 
 
 
 

 
 
 
 
 

ぶっちゃけた話、これは作品としての完成度とかそーゆうものを度外視した、かなりいやんな話ですなぁ。
ただ単に、自分の中でのゼルテニアカルテットのイメージを明確にしたくて書いただけ・・・
(結果的には)というカンジ。あうち。
しかも、途中から脱線しすぎて何がなんやら分からなくなってしまった。

この話、最初は
オーランとオヴェリア様の仲のイイ話を書こうとしてたんだよ
何を考えてたんだろう、発案したときの自分。

オーランオヴェよりもディリオヴェの方が好きなんですが、
この調子では、どっちの男もオヴェリア様を幸せに出来そうにないですねーー。
やっぱア(以下強制削除)

バルマウフラとディリータは、このくらい軽妙なやりとりがあった方が楽しいかナ!
タヌキの化かしあいというか。
「イヴァリースの夜明けをオレたちが・・・」ってこないだまた使ったな、ワタシ。
改めてコレを読んで気付いた、かっこわり。

オーランはやっぱりあたまでっかちなカンジ。
頭を勝手にオーバーロードさせて自滅するタイプ・・・(なんて言い草)
そんでもって、不器用で、口数が多いわりには女心のつかめない男。
それでも掴まれてしまったのは、きっとバルマウフラさんが変わり者だからに違いない!
いや、最期まで掴んじゃいねーって話ですか?

オヴェリア様はどーだろー、とりあえず原作から感じるキャラを
そのままひねりもなく起こしてみたんですが、なんか可哀想。
このままの路線で彼女を描くのはきっついなあ。さてどうしよ。

そしてディリータ、結構やんちゃでまぬけ。
でも、このくらいの情けなさがあった方が、実はディリータらしい気がしないでもない!?
基本的に、「独り上手」だよね、彼って。
いや、正直に、かっこわるく書いてしまってすみません。


しかし、むーずかしいなー、小説ーー。
書くのはとっても楽しいんだけどもさ。へたくそでごめんなさい。
かっこいい小説を書ける人は凄いのだ!えらいのだ!

おちなく終わる。